東京芸術劇場主催バンドクリニック

昨日は東京芸術劇場主催ブラスウィーク・クリニックのコントラバス講師として2年連続で参加してきました。

コントラバスは受講生が2人。一人は昨年も参加されたコントラバス歴27年という学校の吹奏楽部顧問の先生。昨年同様、学生さんを教えて先生には「教え方」を見て頂く方法を取りました。

生徒さんは楽器を始めて3ヶ月でしたが、明るくて積極的で好印象。彼女なら頑張ってくれそうな気がします。これからもフォローしていけたら良いな。

実技レッスンの後は作曲家スパーク氏による合奏リハーサルと父兄を対象とした模擬本番。スパークさんは昨年のシエナ定期以来1年半ぶりの再会でしたが、相変わらずジョークを飛ばしつつ基礎的な指導をみっちりやっていらっしゃいました。昨年の宮川彬良さんとはまた違った印象。

クリニックの講評でスパークさんが「1日に5、6時間も練習する学校もあるみたいだしそれも良いけど、音楽を楽しむ事を忘れないで」と仰いました。この言葉、「題名のない音楽会」で佐渡さんの言葉として流れた「音楽は楽しむもの。コンクールで勝つ演奏ではなく芸術性を高めたい」という言葉とも相通ずるものがあります。

人によって「楽しめる基準」が違うと思うので、一概に「楽しめ」といってもいろいろ反応はあるでしょうが、帰宅の道中、吹奏楽の在り方についてちょっと深く考えるきっかけになりました。

近年の吹奏楽コンクールの形態について、個人的に疑問の多い最近のコンクール課題曲について、また学校指導者とプロ演奏家の音楽に対する考え方や環境の相違についてなど、いろいろ書きたい事はあるのですが、その辺の事は、もう少しこの世界の事情を理解し、頭が整理出来てからにしたいと思います。

ただ、一つ言えるのは、学校吹奏楽の主役は演奏する子供たちであるべきで、細かい事を抜きにして、やはり「音楽は楽しむもの」であるということ。これは忘れずにいたいと思います。